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家族会議

突撃ひとんちの家族会議!
子供の頃、「突撃!隣の晩ご飯!」とまぶしいほどのライトと共にヨネスケがうちのお店に飛び込んできたことがあって、母が「うち、つくりませんので」(嘘ですが)と2秒で撃退した記憶が忘れられません。


昨日、弟一家が来ていたゆうべ、私はテレビで『魔女の宅急便』を観て泣いていてその横でめいっこは『スイートプリキュア』をPCで観ていて、母親は和室のPCで『王と私』を観ていた。

そこへ自室にいた弟がバン!と出てきて
「ちょっとちょっと家族会議」とわれわれを集めていわく、
「すっごいでっかいゴキブリが天井についてる」と言う。「ちょっとうるさい。今観てるんだからー」とばかりに全員で弟の肩を叩く。弟は足をぴったりくっつけて「えーこわいー」と女の子みたいに手をバタバタさせて「ちょっとー家族の問題なんだからー」とオネエ化。「えーもーしんぶんーしんぶんないのー」
「そこにある棒でさ」と外したばかりの木製ブラインドを指さして言うととつぜんヤクザみたいになって「こんな固いもんで叩いたらゴキブリの方が衝撃を吸収して飛び散るだろーが!」と私は服の後ろをつままれて脅される。それでもかたくなに『魔女の宅急便』鑑賞に戻るとあきらめてがさがさ新聞紙を探しだした。
すると母が「新聞ないわ」とチラシを集めて弟に渡した。千人針のような感じで。

「こんな・・・こんな頼りない紙で・・・こわいこわーい」と言っているのが背中で聞こえる。でもとりあえず弟はなんでもやってくれるので家族は誰も助けようとせず自分の作業に戻っていった。
私とめいっこのあいだの狭い空間に入ってきてチラシでびゅんびゅん素振りをするといういやがらせをするも無視。弟は戦地へと旅立つ。

しばらくして見に行くと、部屋の前でM(嫁)に「じゃあ行ってくるから俺がやられたら・・・」とかまだ言っている。
「はやく行って来い」とM(嫁)と二人で押し出す。いやー押さないでえええとビビったかと思うと、「必ずやつける!」と勇ましく言ってドアを閉めた。お騒がせなひとである。

私とM(嫁)がリビングで『魔女の宅急便』の続きを観ていると、「いやーーん」という甲高い声が聞こえてくる。母親が和室から飛び出してきて、「いま女の子の叫び声がしなかった!?まさかうちの息子?まだやってるの?」と疑問を呈しているあいだにも「きゃーーーー」という声が聞こえてくる。
それで私はかわいそうになって、寝ている父の元へ行き、「おとうさん!おとうさん!おとうさんの息子がピンチです!おねがい助けてあげてー!」とゴロンゴロン揺らすもまったく起きませんでした。

しばらくして、ドアが開く音がしてから、「洗剤ー台所洗剤ーー!!」という声がしているがM(嫁)と母はどっちも持っていけそうにないということを主張しあっている。それで私がジョイを持って参上すると弟はかっこよくベッドに立膝をついている。その顔は一皮むけて大人っぽくなっていた。

「しとめたのか?」と聞いたらだまってうなづいて私から洗剤を受け取る。
「お姉ちゃん、あっちに行ってて。見ないほうがいい。かわいそうだから、見ないであげて」そう言って、ゴキブリに洗剤をかけ、忌まわの際を見とる。一緒に手を合わせた。
「触覚が!電波時計のように!」
実況中継するなら意味ねーし!

そして『魔女の宅急便』が佳境に入り、すわ飛行船が暴風に!というところで通常時の弟が口をしばったビニール袋をさげて現れ、「お前らなー!」と呼び集められた。
「今日の戦いをプレイバックしてください」とおねがいしたら、「俺がこう、こう振ったところをあっちがこう飛んできてー」と熱く丁寧にスローモーションで解説してくれた。
「結婚前に、約束したのに」と言うので「何を?」と聞いたら、「パパは毛虫、ママはゴキブリって」と言っていた。
by chimakibora | 2011-07-09 16:20 | 生活