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愛情萬歳

台湾に行きたい。と昨年からしばしば思っている。
台湾の景色の中に身を置いて360度パノラマでたのしむ。

ところで、妙齢(本来若いの意であるがここでは微妙な年齢の意)の女性はみんな『愛情萬歳』を観ていますね?ツァイ・ミンリャン監督の。
というか、妙齢にさしかかった今、ほんとにしばしばおもいめぐらせるのがこの映画。
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この泣きたくなるようなベッドのリアルさ式に最近IKEAでベッドを買った私の部屋も整った。
OLスーツというかたびらを着て外へ出る朝はにわとりの目覚まし時計を合わせる夜によって迎えられるのです。

この映画を又貸してくれた男の子はこの映画のラストを指して、「無計画にフィルムをまわしすぎ」と批判した。
私は無計画によって呼び込めている時間の自由自在さがある、と返した気がする。でも本当は思っていることを伝えられていないな、と思った。もっと言えば、伝える気にならなかった。

あの、公園のラストシーンをいまときどき思い出して、わかるよー、と安居酒屋ふうに気安くて、肩をポンと叩いて去るような理解を示したい。
実を言えば、都会の孤独風の表現は私もすこし辟易していたから、まーそうかもしれないけどさーひとはみんなそうだしさーと思っていた。
しかしいまではもう少しのシンパシーを感じられている、ということは声高に叫ぶ等の音の大きい行為ではない。
胸にあの映画のさまざまなシーンのタブローを飾れるようになったっていう程度にひとにはわからないひっそりした変化。
彼のあの的外れに思える批判も思い出すけれど、それに答えるすべはない。いとまもない。それよりも、ひとりでも多くの妙齢の女性にこの映画を観てもらえたら、何も言わずに肩をたたきあえるのになーと残念に思う。
だって彼と以外にこの映画について話したことがないのだ。
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ところでところでこの映画の持ち主の男性はゲイではないかという噂のある年長のひとだった。
私はこれを観て確信した。そして彼がこの映画を貸してもらったのはラブレターを受け取ったのと同じことなのではないかと。彼は気づいていないようだけれど、ひそかに応援している。
by chimakibora | 2011-02-11 21:57 | 観る・聴く