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折れる・突き当たる

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大阪旅行その2。




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南海電車に乗って蛸地蔵へ。駅で「岸和田城どっちですか?」と聞いたら、奥から出てきたおじさんが「右折れて突き当たるとわかる!」と断言された。
右折れて突き当たる。
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「何がいるの?」と聞いたら、いちばん小さい子が「亀けっこういる」と断言。「でもハリがついてないから釣れない」と一番でっかい子。ふむ。そういう不毛のような遊びはたくさんした方がいいと思います。紐に菓子パンゆわえつけてた。「落ちないでね」と言うも聞いてなかった。
岸和田城は別名千亀利城というのでした。
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庭・登場。

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初・重森三玲は『八陣の庭』。あー、不可能を可能にする芸術とはこのことですね。正面を定めないということの、この平和感。「戦争はやめよう」という直裁的な言葉を百遍言われるよりこの庭を一回見せられたほうが平和とは何かを知ることができるよ。
うわっけっこうふくらんでる!って思ったんですけど、というのも、高いところから見るとき、空間とは水平方向の広がりとしてとらえられると思ってたので。こんなに高いところから見てもふくらみ=ふくよかさを感じるとは。

こうして天守閣のてっぺんに、庭を眺めたり、オペラグラスでいろいろなものを観たりして二時間あまりいた。
「あそこに見えるでしょ、長いのが。何で見えないの。信じられない」と奥さんになにやら見えないせいで叱られている男性。
そのへんにいるひとを捕まえて景色のうちなにがしかについて蘊蓄をたれるおじいさん(何か言いたそうに「取材ですか」と聞かれたので、いいえとだけ言ってオペラグラスを覗き続けたら去った)。
亀をまだ釣る(釣れない)男の子達と無数の魚影ならぬ亀影。
いろいろの部活でひしめきあう校庭。
遠くの黒船。

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八陣の庭は、諸葛孔明の八陣法をテーマにしていて、大将(須弥山)を中心に右上から鳥・地・虎・天・蛇・雲・龍・風の順に石が配されているもの。
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だーれもいなかった。涼しい風が吹いて、ベンチに座って原田知世歌ってたら調子がでてきた。
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模型で薬草園とある方向に畑のようなものが見えたので、薬草園はまだあるのか。あるとしたら何を育てているのか。と歩きだす。城の目の前の公園には蔵のような体育館のような建物があって、そのまえの石段にワケアリ風の中年男女が腰を下ろしてなにやら喋りこんでいた。彼らの先に、檻が。
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うまく見えない檻のなかに、岩の上にいっぴきの猿が座っておりました。子どもがそのまわりを鳩を追いかけてグルグルまわっていた。カラッとしたさびしさ。そうして、薬草園と思われたのは外来種の浮き草で表面をびっしり覆われた池でした。
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さっきの少年らのちょうど反対側のお堀端にいた少年らもまた、亀を(ちゃんと)釣ってた。
「何釣ってるの」と聞いたら「亀!」と答えた途端「わー釣れたー」と叫んで引き上げた。
少年らは釣り上げた亀を足でつかまえて無言でじっくり観察してから、お堀の中に針ごとぶん投げていた。「やるねー」と思わず言いました。そういういけないことは、いけないけどやればいいと思います。
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蛸地蔵駅の由来絵のステンドグラス。「新大阪に帰りたいんですけど」と言ったら行きと同じおじさんがまた出てきて教えてくれる。「次に乗ればいい」と。
おばあちゃんと五歳くらいの孫と共にホームに座って電車を待つ。「ラピートきたー」と孫が言ったので、あのウォーズマンみたいな電車がラピートという名前なのだと知る。
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ホテルに帰って横になって、朝が早かったしお腹もあんまり空いていないし、このまま寝てしまおうかなあとも思ったのだけど。お好み焼きを食べずばなるまい・・・というミーハーさに背中を押されて、Aくんに教えてもらったお好み焼き屋を目指して、また街に出た。
鶴橋は魔都でした。ひとどおりは少なく、突然道の両脇がまっくらい青果市場となっていたり、街のつくりが不思議だった。
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やっと到着したら、10人くらい前に並んでいて、じいと待ちました。待っている間に、とうとつに、ときの切っ先にいる!という感がむくむく沸いてきました。なんだったんだろ。あの瞬間エポックメイキングだった。
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オモニ焼きを焼いてくれたのはオモニの息子のようでした。オモニの息子はオモニの店に不似合いなほど品がよく、何度も「長いこと待たせてすみませんでした」と言ってくれてとてもよいひとでした。オモニはオモニの店と一体化していた。かわいい野球部系の男の子が配膳をしていた。私の目の前がオモニの席だったので、私たちは向かい合った。マヨネーズがよくでなかったら、「あははでん~」と笑っていました。オモニ焼きもキムチもとてもおいしかった。
少し街に馴染んで、折れたり突き当たったりしながら元来た駅に帰る。駅内蔵のBOOK・OFF(店内に改札があった!)に寄る余裕もでたよ(掘り出し物はなかった)。
by chimakibora | 2009-11-08 17:27 | 歩く・見る・遊ぶ